「実家暮らしのつれづれ」は、渡仏のために仕事を辞めて静岡の実家に戻ったときに作った前身のブログ記事を移したものです。
慣れ親しんだ東大阪の家から、引っ越した。
なんともいえない気持ちがつのったので、ブログを始めることにした。
これからの働き方につながるように、と思ってブログを選択したけれど、どうも「ブログ」と検索して出てくる先達のような取り組みかたはできそうにない。
エッセーを描くように、気楽に綴ってゆきたい。
引っ越し準備
今回の引っ越しはちょっと特殊で、暮らしの本拠が実家に移るので、家財道具や家電のほどんどは処分することになる。
退居の3日ほど前から、買取業者が来たり自分たちで処分場に運び込んだりして、家からどんどんものが無くなっていった。
そうそう、市のごみ焼却場、とっても面白い。
流れるような案内に従ってルートを進んでいくと、大きな大きな扉が開いて、焼却炉にたどり着く。焼却炉は立っている場所よりはるか下にあって、持ってきたごみ袋をその中に放り込む。
普段あんなに分別しているのに、プラスチックやらちょっとしたビン・カンやら関係なしに、とにかく放り投げる。
ああこれ、あのときのだなぁ、
いちいち思い出しながら詰めたごみたちは、一瞬にしていなくなった。
8.18 東大阪の家を退居
引っ越し業者がきて、各実家に運ぶものたちをスイスイ部屋から運んでいく。
もうほとんどすっからかんになってきて、生活感も消えて、ちょうど日も落ちてきたころ、ふと猛烈な寂しさに襲われてしまった。
最寄駅から徒歩26分、電動自転車じゃないと登れない坂道、虫にクモにカラスに悩まされるような家。”彼氏と同棲を始める”というシーンには挑戦的すぎる選択。(笑)
越してきた当初に、「ここは仮住まいにして、もっといい条件の家を探そう」なんて話してたっけ。
でも、そんなところにはいつの間にか慣れてしまって、引っ越すことなんて考えなくなるほど、居心地のいい家になっていた。
生活音はほとんど聞こえなくて、朝起きれば鳥のさえずり、夜は虫の声。
天気がよければ兵庫県の山なみまで見渡せる景色。
駅前の商店街はわりと栄えていて、美味しいお好み焼き屋さんや、ちょっと有名な焼肉屋さんがあったり。
お隣やご近所のおじさん、おばちゃんがいつも「いってらっしゃい」「おかえり」と声をかけてくれたり。
ひとつひとつを、素敵だねぇ幸せだねぇと共有できた日々が、とてもいとおしい。
涙はぐっとこらえておいた。
このいとおしさを大事に抱えながら、これからの人生を生き抜いていく。